「黒い羊」の意味 いじめの心理学的原因

こんな人におすすめの記事

  • いじめが起こる原因を知りたい
  • 黒い羊効果 とは何か知りたい




欅坂46の曲のタイトルにもなった「黒い羊」って一体何?

こんにちは。おぱびにあです。

2019/02/27に発売されることとなった欅坂46さんの8thシングルのタイトルが「黒い羊」だったのを見て、タイムリーだなと思い記事にしてみました。

この欅坂46のシングル名になった「黒い羊」は心理学用語なのです。この黒い羊効果は、ある集団でいじめが怒る原因ともなりえる非常に恐ろしい効果なのです。

今日はこの「黒い羊」の意味から、黒い羊効果のもたらすいじめの原因を心理学的に考えていきたいと思います。

 

「黒い羊効果」って一体何?

「黒い羊効果」とは、いったい何なのか?欅坂46さんの曲では「自分がいなくなればみんなが納得するんだ」といった世界観が広げられています。

 

心理学的に見た黒い羊効果とは、

グループの中で能力が劣るもの、あるいはルールから逸脱したものは、グループ内での評価が実際よりも低く評価されることです。

語源としては、白い羊の集団に黒い羊が一匹だけ加入してもなじめず、のけ者にされてしまうといったところからきているようです。エキセントリック(尖った人)はハブられるみたいな意味ですね。

例をいくつか挙げてみましょう。

  • 野球ファンが連敗中に、「○○は使えない!二軍に落とせ!」と主力選手を叩く
  • 足手まといを忌み嫌う
  • アイドルファンが人気のないメンバーをブスだと酷評する
  • 「奴は四天王の中でも最弱、、、」

このように本来客観的に見ればそれほど劣っていないものに著しい低評価を付け、自分たちのグループから切り離そうとすることこそが黒い羊効果なのです。

 

これだけ見ても、黒い羊効果がいじめの原因になりそうなことはよくわかりますね。
次からは少し、「グループ」とは何か?について考えてみましょう。
「グループ」について考えることで、グループ内で起こる「黒い羊効果」をより深く知ることができます。

「内ひいき」 人は自分の所属するグループを高く評価する

黒い羊効果とよく同時に議論されている心理学用語に「内ひいき」という言葉があります。

 

内ひいきとは、

人が自分の所属するグループのことを高く評価しやすいこと を言います。

なんとなくわかりますよね。

「自分の会社は優秀な人が多いと思っていたけど転職してみたら世界は広かった」みたいな井の中の蛙系の経験は大体この「内ひいき」が原因としてあります。

 

なぜ人は自分の所属するグループを高く評価しやすいのか?

それは、自分の所属するグループを高く評価することで、相対的に自己評価も高くすることができるからです。

 

一つ、ある論文から、この内ひいきを実験した例を出しましょう。

Skevinton(1981)では,看護婦の中の公認看護婦(高地位とされる)と登録者護婦(低地位とされる)の比較において,いずれの看護婦も自分たちのほうが相手よりも優れていると評価Lたことを示した.

またその際には公認看護婦でほ能力面で,登録看護婦では情緒面で自分たちのほうが優れていると評価した.

低地位とされる登録看護婦の場合は知性などの能力面で外集団との比較を行うと不利であるの
で,内外集団の地位差の影響が出ないような評価次元を選ぶという社会的創造の方略を用いて,内集団ひいきを行っていることが分かる.

これに対して公認看護婦では,能力という評価次元が内集団にとって有利なものであるため,評価次元を変えずに,社会的競争の方略に沿って内集団ひいきを行っている.

参考論文:黒い羊効果と内集団ひいき : 理論的検討  著:大石千歳 吉田 富二雄

 

このように、人は評価軸を変えてまで、自分の所属するグループをひいきしているのです。

 

人がグループに所属する意味

そもそも人はなぜグループに所属するのでしょうか?

理由は簡単 自分のキャラ付けができるからです。

 

Festinger(1954)の社会的比較論では、
自己評価というのは、他者との比較によって作られる
としています。

 

 

たとえば、大学などでイケてるテニサーに入っているような人達がいるとしましょう。

 

この人の思考回路はこうです。

うちのテニサーは他のサークルよりもイケてる・かっこいい(内ひいき)
→ そんなサークルに所属している俺はイケてる

このようにグループ単位の特色を自己に投影することで、自分を評価する、言わばグループは物差しのような役割を果たしているのです。

 

こりゃあ内ひいきしますよね、、、、

 

「黒い羊効果」と「内ひいき」って真逆じゃない?

ここまでグループとは何かを見てきました。ここで復習です。

「黒い羊効果」=グループ内で劣っているものを低く評価する
「内ひいき」 =自分の所属するグループを高く評価する

なんか一見真逆の理論に見えますよね。「黒い羊」と呼ばれるようなのけ者だけなぜ高く評価せずに低く評価してしまうのか。全員高く評価したほうが、グループの総合評価はあがりそうなもんなのに。

 

内ひいきがあるのにも関わらず黒い羊がのけ者にされる理由 それは、

グループの特色と違う人が、そのグループの特色を壊すことを恐れるからです。

 

さっきのイケてるテニサーを例に取りましょう。イケてない人が入ると元々いた人たちはこう思います。

イケてないやつがうちのグループに入ってきた
→サークルの評価が下がる=自分の評価も下がる (cf.人がグループに所属する意味)
→あのイケてないやつ嫌い

 

以上のことから、「黒い羊効果」と「内ひいき」は真逆の効果ではなく、むしろ共存するのです。

つまり人は、「グループの特色に当てはまる人を高く評価し、グループに馴染まない人を低く評価傾向がある」のです。

「黒い羊効果」と「内ひいき」から見る いじめ

ここまで見てきて、「黒い羊効果」でなぜいじめが起きるのか、なんとなくわかりましたよね。

人は、グループの中のルールを守れる人が大好きなのです。

秩序が保たれているグループの中に、異色の人(=黒い羊)が投入されると、秩序が乱れるのを恐れて黒い羊を袋叩きにします。

欅坂46の曲の黒い羊でも「反対が僕だけ」(=僕は黒い羊)であり、「目配せしてる仲間には 僕は厄介者でしかない」と歌っています。

みんなで守ってきたグループ像を壊されるのが怖いのです。だからマジョリティ(多数者)と違う行動をとっている弱者は厄介者として扱われ、いじめを受けるのです。

 

グループに所属することは居心地の良いものなのです。だって自分と似た者しかいないから、自分と似た部分を高く評価していれば満足なんです。

この満足感から「内ひいき」が生まれ、人とは違う「黒い羊」がのけ者にされるというのが今回のお話でした。

この「黒い羊」を題材にして歌詞を書く秋元康先生、やっぱり才能がありますね。

 

コメント